個を活かす自律的人事制度、今回は社内人材公募制度についてお話します。
社内人材公募制度とは
社内人材公募制度は、人材を必要とする部署が社内で募集をかけ、応募した人から適任者を選考する制度です。1)社内人材の発掘、2)社内の人材流動化、3)社員のモチベーションアップを目的に実施します。
社内公募人材制度のポイント
応募要件
一定年数以上の勤続、部署在籍を要件にするのが一般的です。
具体的に何年が適当かは、会社の実情によりますが、「担当業務を一人前にこなせるようになる年数」を経験値として決めるのがいいでしょう。
また、一定以上の階層であることや人事評価が一定レベル以上であることを条件にすることも考えられます。
人材要件も決めておきます。
たとえば、募集部署がある分野の専門知識を必要としている場合は、その要件を具体的に定める必要があります。いわば「即戦力採用」です。
そうではない場合は、能力、行動、意欲などの一般的な人事評価項目を要件にするのが適当でしょう。
「今の上司と折り合いが悪い」といった逃避型応募もあり得ますが、これは社内公募の趣旨とは相容れません。別の手段で異動・配置を考えるのが適切です。
応募方法、応募の秘密
自由な応募を促すという観点から、応募の事実は、採否が決定するまで上司や同僚には伏せておくのが普通です。したがって、応募は人事部に直接提出させます。
また、面接などは平日の昼間は避ける、社内会議室は避けるといった配慮も必要です。
そして、上司に伝えるのは採用が決まった場合だけとし、不合格の場合は伝えないようにします。
選考
1)人事部による書類選考
在籍年数などの形式的な要件をチェックします。
2)募集部署による書類選考
3)面接
募集部署が行いますが、客観性・公平性を確保するため人事部が同席する場合もあります。
採用から異動まで
採用が決定した時点で、本人と上司に伝えます。
上司の拒否権は認めないのが原則です。
異動のタイミングは会社や職場の実情に応じて設定しますが、採用決定から異動までの期間をあまり長くしないのが望ましいでしょう。
社内公募で人が転出する部署に対し、人員を補充するかどうかという問題もあります。これは該当の部署や会社全体の人員の状況を踏まえて対応します。
また、人員補充をスムースにするために、社内公募と定期異動のタイミングを合わせるという方法もあります。
不合格の場合のフォロー
不合格者に対しては、採用にならなかった理由を説明します。
できれば「再チャレンジ」の可能性も伝え、モラールダウンしないように配慮した方がいいでしょう。
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