居住地の制約をなくす制度
少し前の日経新聞に、アクセンチュアが居住地の制約をなくす制度を導入するという記事が掲載されていました。
従来は勤務地に2時間以内で通勤できる場所での居住を求めていたということです。
居住地をどこにするかは本人の勝手ですが、通勤に2時間を超えるというのは現実的ではないわけで、会社の求めにかかわらず、必然的に通勤可能な範囲に居をかまえることになります。
要するにこの制度、在宅勤務・テレワークを認めるということですね。
テレワークの実施率は低下傾向
一方、全体的にみるとテレワークの実施率は低下傾向にあるようです。
内閣府の調査によると6月時点でのテレワーク実施率は全国平均で30.6%で、昨年9月~10月時点に比べ1.6ポイントの低下。東京23区については4.6ポイント減の50.6%ということです。
また、商工会議所の調査では、東京23区の中小企業の5月の実施率は29.7%。2年前の2020年5月~6月は67.3%でしたから大幅なダウンですね。
まぁ、このときはコロナ第1波。何だか分からないけどとにかくテレワークという感じでしたからね。
テレワークが適合しやすい業種・業務は
アクセンチュアのようなコンサルティング会社は、テレワークが最も適合する業種かもしれません。
・個人事業主の集合体のような事業形態
・個々の成果が見えやすい
・職務が明確に定義されている
多分このような業務状況なのではないかと。
「ウチはこうはいかない」という会社も多いかと思います。
それが上記の統計数字にも出ているのでしょう。
仕事のやり方次第という面も
ただ、それはあくまでも、これまでの仕事のやり方を変えなかった場合の話。
・一人一人の職務を明確に定義する
・指揮命令ライン・リポートラインを整備する
・仕事の目標を明確にして上司と部下で共有する
・ワン・オン・ワンミーティングなどでコミュニケーションを活性化する
---このような施策をとっていけば、テレワークの継続は可能です。
テレワークをやる意味は
こう考えていくと、こんな疑問が浮かびます。
「そんなにまでしてテレワークをやる意味はどこにある?」
疑問の一つ目、「そんなにまでして」の回答は割とはっきりしていて、「テレワークだけのためではない」です。
上記にあげたようなことは、人と仕事のマネジメントを効果的に実施するために必要なことで、手をつけないというれは立ちいかなくなるようなものです。
テレワークをきっかけにマネジメントのあり方を考え直すというのも、「あり」ではないかと。
もう一つの疑問、「テレワークの意味」。
テレワークをやってみたものの、また元に戻した会社の多くは、テレワークに懐疑的・否定的です。
特に緊急事態宣言で仕方なくという会社は。
テレワークのメリットとして挙げられるのは次のようなことです。
・通勤からの解放
・自由に使える時間の増加
・ライフスタイルに合わせた働き方
・仕事の裁量性
・オフィス経費の削減
これらを通じて創造性・生産性を向上させ、仕事の成果を向上させることが目的です。
一方、デメリットもあります。
・コミュニケーションの希薄化
・人事評価の困難さ
・会社への遠心力
また、業務によっては生産性が下がる場合もあります。
それと、目の前に部下がいないと不安な上司、仕事は会社でやるものだという固定観念に固まっている上司もいます。会社全体がそうなっていることもありますね。
私個人は、目の前に上司がいるのはイヤでたまりませんでしたが。
テレワークをきっかけに人材マネジメントのあり方を見直す
改めて考えてみると、コロナ禍は人材マネジメントのあり方を見直す大きなきっかけとなってように思います。
この機会を逃すのはもったいないのではないかと。
職務を明確にするといったことは、コロナ禍・テレワークにかかわらず本来やるべきものです。
そして働き方の柔軟性も。
こうしたことと、テレワークのメリットを活かすこと、デメリットを解消することを考えていくことがこれからますます求められるのではないでしょうか。
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