かつては中途採用は不利だったが…
少し前ですが、5月7日の日本経済新聞に、転職で賃金の増えた人が32.6%になったと言う記事が掲載されていました。
かつては、中途採用というのは新卒入社より不利になることが多かったです。
転職の都度賃金が下がっていくということも珍しくありませんでした。
なぜ中途採用者は不利になっていたのか
ある程度仕方ない面もあったとは思われます。
例えば中途採用で社会人歴8年目の人が入社してくるとします。
この人が新卒入8年目の社員と同じなのかそうでないのか、採用時点ではわからないことが多いのです。
そのため入社時点では、賃金を低めに押さえておくということが行われていました。
汎用的な知識・スキルを評価できなかった
そうなっていた原因の1つは、会社が変わってもそれほど内容が変わらない汎用的な知識やスキルといったものを評価できなかったということがありますね。
会社固有の知識やスキルの評価が難しいのは確かですが、汎用的なものも案外評価できなかったのです。
たとえできたとしても、それが会社の業務にどう関わるか、どのぐらいの価値を持つのかということが、評価できなかったというのが実態でした。
職務が不明確だった
そしてもう一つの問題は、仕事、職務という概念が希薄で、社員それぞれが担当する職務というのが明確になっていなかったということがあります。
きちんとシステマチックになっていない状態のまま、人によって様々な業務がその都度割り当てられ、体系だっているとはいえない状態で様々な仕事をしていたというのが実態だったと思われます。
そのようなことから、中途採用で入ってきた人の知識やスキルといったものが、会社の中でどのぐらいの位置づけになるのかと言うことが評価できなかったわけですね。
入社後も見直しがなされなかった
さらに問題だったのは、そのような事情から低めに抑えられた賃金が、その後も見直されることなく曖昧なままになってしまっていたということも珍しくなかったということです。
その原因は、その人が配属された部署の現場の管理職は、賃金が全体としてどうなっているのかということを把握できていなかった、そのような情報を与えられていなかったということがあります。
その一方で人事部門は、賃金の状況は把握していたはずですが、肝心の現場の状況を把握していなかったのですね。
採用する人のスペックを明確に
このように中途採用というのは不利に扱われてしまうのが一般的だったのすが、近年はそのような状況がだいぶ改善されてきたように思われます。
人手不足の時代、優秀な人材を確保するためには、まず会社にどのような業務があるのかを分類整理して、それらがどのぐらいの市場価値をもっているのかということを把握することが必要と思われます。
そして中途採用するにあたっては、具体的にどのようなスペックを会社は求めているのかを明らかにしておくことが必要です。
当たり前のようですが、案外これが曖昧なまま、良い人材を取りたいと言う漠然とした状態で採用活動を行っていたが多かったと思われます。
こうしたことを、改善して優秀な人材の確保に努めていきたいですね。
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