飲食店やペンションなどで、自家製野菜とか手打ち蕎麦といったことを売りにしているのを見ることがありますね。

それ自体は悪いことではないと思います。
ただ一顧客としては、安全性の問題がクリアされていれば、出されている食材が自家製なのか、どこかか仕入れてきたものなのかは、どうでもいいことです。
そこまで言わなくとも、最重要でないことだけは確かです。
要はおいしいのかどうか、そこで食事をするとことで満足感を得られるかどうか、です。

出されたものがどういう風にして作られたのかというのは、プラスアルファの価値として有効だと思いますが、メインの価値にはならないだろうと思います。

実際、手打ちとか自家製を売りにしているものの、味のほうはどうもなと思ってしまったような例はよくありました。
残念ですけれども。

そういうところは、料理を作るプロセスだけを売りにしてしまっていると言わざるをえません。
(もしかして、自家製といえばそれだけでお客は有り難がると思っているのでは、とか、味に自信がないからでは、などと意地悪なことを考えてしまいます)。

同じようなことが人事評価等についても言えると思います。

人事評価では、プロセス、すなわち成果を出すまでの行動や努力も見ます。
結果主義になってしまってはいけません。
結果を出せば、何をやったっていいだろうということになってしまいます。

しかし一方で、成果を伴わない行動や努力は評価対象になり得ません。
育成過程にある社員は別ですが、少なくとも一人前レベルになっている社員であれば、行動や努力は何らかの成果につながっていなくてはならないのです。

評価対象期間には成果が出ていなくても、将来的に何らかの成果につながるということがなくてはなりません。

また、残念ながら成果につながらなかったという場合でも、その行動や努力が何らかの副次的な成果につながっていたのであれば、そこを評価します。

いずれにしても、社員が会社でとる行動は、何らかの価値につながるものでなくてはなりません。
そこを明確にすることが人事制度づくりの原点かと。