さまざまなクライアント様の人事・賃金制度構築や見直しのお手伝いをしていて、必ずといっていいほどぶつかるのが「現実の壁」です。
恐らく多くの人事責任者、担当者の方もそういう思いを抱かれたことがあるのではないでしょうか。
会社の人材マネジメントは、過去からのしがらみから逃れることはできません。
過去の人事制度、人材マネジメント方針、その時々のいきさつや必要性、さらには社内政治力学など、実に様々な要因の積み重ねが現在の姿になっているのです。
そこにいきなり「あるべき論」を振りかざしても全く意味がありません。
美しい理論は絵に描いた餅にしかなりませんし、労働条件不利益変更の問題も絡んできます。
だからといって、現実の姿を仕方ないものとしてそのまま受入れてしまっていては、何も話は進みません。
あるべき姿を描き、現実とのギャップを認識したうえで、あるべき姿にいつまでに、どれだけ近づけるかというロードマップを描くことが必要なのかと思われます。
大事なのは理想と現実のバランス。
ここが崩れると、どんなにいい制度を考えても実現は難しくなります。
強引に進めたとしても、必ず揺り戻しが来て結局元のままということになりかねません。
まず1~2歩進めて、うまくいったら次のステップに進んでいくとか、フォローの風が吹いているなどいけそうなら歩の進め方を大きくするといった行き方がいいのではないかと感じています。