私傷病で会社を休んだ場合に支給されるのが傷病手当金

病気やケガで会社を休んだ場合、その日を年次有給休暇にしなければ賃金が出ないことが多いです。
そのような場合、健康保険から「傷病手当金」が出ます。

なお、ここでいう病気やケガは、私傷病が対象です。
業務上の場合は、労災保険が適用になります。

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傷病手当金の支給要件は

療養のために休んでいること

まぁ、当然といえますが。
ここでいう「療養のため」とは、病院にかかっている場合に限ったことではなく、自宅療養なども含まれます。

労務不能であること

これも当然ではあります。
労務不能といっても、床にふせって動けないことまでは求められていません。
通院のため会社に行くことができないような事情にある場合なども含まれます。

継続して3日間の待機期間があること

ある程度の日数以上、労務不能で休むことが必要だということです。

  • 「継続して」というのがポイントです。
  • 2日休んで、1日出勤、その翌日また休んだという場合は、待機期間を満たしたことにはなりません。
  • 3日は、労働日でなくても構いません。
  • 休日などが間にあっても、待機となります。
  • また、その日を年次有給休暇にしても、OKです。
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傷病手当金の支給期間、支給額

傷病手当金の支給期間は、通算して1年6ヵ月までです。
以前は「支給開始から1年6ヵ月」でしたが、2022年1月から「通算して1年6ヵ月」に改正されました。

傷病手当金の額は、休業1日につき以下の算式により計算した額になります。

  • 支給開始日以前の継続した12ヵ月間の平均標準報酬月額÷30×2/3

支給開始日以前の加入期間が12ヵ月に満たない場合は、次のいずれか低い額になります。

①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均
②標準報酬月額の平均値:支給開始日が平成31年4月1日以降の場合、30万円

休業期間でも会社から賃金が出ている場合は支給されません。
ただし、その額が傷病手当金の額に満たない場合は、その差額が支給されます。

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傷病手当金受給手続

傷病手当金の支給を受けるためには、被保険者本人が「健康保険傷病手当金支給申請書」を健康保険協会または健康保険組合に提出します。

提出するのは本人ですが、本人任せにはせず、会社が用紙を入手し(協会健保の場合、健康保険協会のホームページからダウンロードできます)、説明・指導するようにします。

提出期限は「速やかに」としか決まっていません。
ただし、この給付の時効は2年となっていますので、要注意です。

現実には、ご本人の生活がありますから、1ヵ月単位で手続きを進めるようにするのがいいですね。
また、健康保険組合によっては、提出期限を指定していることもありますので、ご担当の方は事前に確認してください。

会社が記入・証明するのは、勤務状況(病欠、有給休暇、出勤など)と賃金支払い状況です。

また、医師には、傷病名、傷病の状況、労務不能の期間などを記入・証明してもらいます。
本人から医師に依頼するようにしてもらいます。

会社を退職し、健康保険の資格を喪失した後であっても、次の要件にかなっていれば、傷病手当金の支給を受けることができます。

  • 資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あること。
  • 被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること。

ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。

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