絶対評価と相対評価
人事評価には「絶対評価」と「相対評価」があります。
- 絶対評価とは、所定の評価基準に則った評価を指します。
- たとえば、「標準」というのがどの程度のレベルになるのかを定義しておき、その基準を満たしていれば、標準評価、上回っていれば標準より上、下回っていれば標準より下の評価とします。
分かりやすい例をあげると、「1ヵ月に100個の製品を作る」というのを標準の「B評価」とし、それを10%以上上回れば「A評価」、10%以上下回れば「C評価」とするというやり方です。
現実にはこのような単純な評価ができることはなく、たとえば「正確性:担当業務を正確に遂行し、ミスや手戻りを発生させていない」といった基準を設け、この基準に対してその人の業務状況がどうであったかを評価するわけです。
- 一方、相対評価は、被評価者同士を相対比較して序列づけるという人事評価手法です。
- つまり、Xさん、Yさん、Zさんの3人を、出来る順に並べるということです。また、相対評価では評価の分布が決めておくという方法がとられることもります。
- 「A評価は○○%、B評価は○○%」というように、評価の数に外枠がはめられるわけです。
絶対評価、相対評価それぞれのメリット、デメリット
絶対評価のメリットは、被評価者の納得性と人事評価結果の説明可能性です。人事評価基準に対して被評価者の成果や行動がどうであったかを判定するわけですから、評価理由が明確です。
また、人材育成という観点でも、絶対評価は優れています。
被評価者のどの部分が足りないのかが人事評価で浮き彫りになるからです。
デメリットは、評価の難易度が高いという点です。
特に、評価基準が、「企画力」などといった定性的なものだと、それが強くなります。
そのため、評価が全体に甘めになる傾向が出ます。
また、絶対評価では、評価基準の設定が大きなポイントになります。
相対評価のメリットは、単純明快という点です。
評価段階ごとの人数などは、評価者の裁量ではどうにもならない、絶対的なものだからです。
また、賃金、賞与などの原資コントロールが容易な点もメリットとしてあげられます。
デメリットは、評価結果の説明が難しくなるという点です。
そのため、人事評価の納得性は薄くなります。
また、今後どうしていけば評価があがっていくのかを本人に説明し、努力を促し、あるいは具体的な教育プランを立てるといった人材育成機能も弱くなります。
これからの人事制度、賃金制度をどうするか
以上、今回は人事評価・「絶対評価と相対評価」についてご説明しました。
人材の活性化・戦力化、公平で納得性のある人事マネジメントにおいて人事評価制度は重要なポイントになります。
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