見直しが必要な就業規則の特徴は

見直しが必要な就業規則にはいくつかの特徴があります。

とりあえず作った感

働く人が10人以上になったので仕方なく作った就業規則には、このようなものが少なくありません。
就業規則の役割と機能を理解しないまま、「労働基準法上の義務だから」という理由だけで作成しているわけですね。
その多くは、どこかのテンプレートそのままになっており、会社の実情に合っていません。
テンプレートは、さまざまな会社で応用できるように汎用的に作られていることが多いからです。
つまり、テンプレートの条文や規定が、自社にぴったりあてはまるとは限らない、ということです。

テンプレートをベースに就業規則を作成したり見直したりする際には、自社の事業内容、企業規模・体力、業務実態などをよく検討し、自社の実情に合うように内容を変更して利用しなければならない、ということです。
実務的には、さらに専門家に依頼して、新しい就業規則に問題がないか確認してもらうことも重要でしょう。

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相当前に作成、それっきり

そのようにして作った就業規則は、一度作って届出た後は放置されていることが多いです。
ほとんど古文書のようになってしまっているのですね。

当然役に立たないだけでなく、危険です。
たとえば、会社が人事制度を変更したときなどは、就業規則もそれに合わせて変更しないといけません。
さもないと、法的には制度変更の効力はおよばないことになります。
もし会社が、新制度にもとづいて賃金改定や格付け変更をしようとしても、知識のある従業員が昔の(といっても、効力のある)就業規則を持ち出して、「この賃金改定は不当だ」といってきたら、会社側はそれに対抗できないのです。

自社の就業規則がほこりをかぶった古文書とならないように、常に見直しを行うことが必要です。

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誰も知らない

就業規則の存在を従業員がほとんど知らないというケースが意外と多くあります。
なかには、経営者が意図的に従業員に見せないようにしていたり、従業員が「就業規則を見せてほしい」といったら、「そんなものはない」とか「見せる義務はない」と答えたという例もあります。
あるいは、就業規則を作成した当初は従業員に伝えたものの、その後は社長の机のなかに入れたままになっている、というケースもあるようです。

これらはいずれも、労働基準法が定める「就業規則の周知義務」に違反した行為となります。
また、就業規則が効力を発揮するのは、従業員に周知してからです。
したがって、会社側は従業員に、就業規則に定めた義務を果たさせようとすることができなくなってしまうのです。

あなたの会社に合った就業規則を作成するために

以上、今回はありがちな就業規則というお話をさせていただきました。

就業規則は法的義務という枠組みを超えて、組織を活性化させ適法に事業活動を行うためにとても重要なツールです。
しかし、ご自身で膨大な法令情報を把握し、自社にとって最適なルールや働き方を就業規則として明文化することは難しいと感じる方も多いと思います。
ただ形を整えるだけではなく、きちんとした就業規則を整備するためには、やはり就業規則の作成や見直しに強い社会保険労務士に依頼することをオススメしています。
ヒューマンキャピタルでは、丁寧なヒアリングで現状を診断し、会社の実情にフィットした就業規則をご提案する「就業規則コンサルティング」サービスを行っていますので、就業規則の作成・見直しでお悩みの方はぜひご相談ください。

01_1.就業規則作成 01_2.就業規則作成、見直しの実際 02_1.メンタルヘルスと就業規則 02_2.ハラスメントと就業規則 02_3.労働契約と就業規則 03.労使協定 10.採用、試用期間 11.退職、解雇 12.服務 13.懲戒 14.人事 15.労働時間 16.賃金規程 17.安全衛生、メンタルヘルス 18.育児・介護 19.ハラスメント 19_1.セクハラ 19_2.パワハラ 19_3.マタハラ 20.年少者 31.人事・賃金制度全般 32.人事等級制度 32_2.昇格、降格 33.人事評価制度 34.賃金制度 35.ジョブ型人事 36.賞与 37.目標管理制度 40.モチベーション、エンゲージメント 40_2.心理的安全性 41.人材育成 45.採用 51.テレワーク 52.有期雇用、パート 53.正社員登用 54.高齢者雇用 60.社会保険 63.事業所新設と社保 65.労災、通災 70.業界別人事・労務 71.外食・小売業の人事労務 80.ダイバーシティ、多様化 80_2.複線型人事 85.働き方改革 100.コラム