就業規則の機能としてこれまで「コンプライアンス」と「リスク管理」のお話をしてきました。 どちらも重要な機能です。
しかし、就業規則の機能は、この2つにとどまるものではありません。 もうひとつ重要な機能として、「従業員の活性化と業績向上」があります。
これが本当は、最も重要な機能と言っていいでしょう。
活性化と業績向上という機能を果たすために、就業規則はどのような要件を満たしている必要があるのでしょうか?
それは、次の2つ。
就業規則というのは、就業のルールは労働条件を文書化したものですから、当然の話ではあります。
ただ、活性化という観点で就業規則をつくるのと、そうでないのとでは、就業規則の内容が 相当異なってきます。
労働基準法には就業規則に記載すべき事項が定められています。 会社で働く人の労働条件に関することすべてになります。
しかし、記載のしかたは、会社次第。 たとえば賃金ですが… 就業規則を読んでも、個々の賃金が具体的にどのように決まるのか、よく分からないという ことがよくあります。
法的にはそれでも問題はありません。
また、具体的に定めようにも、賃金体系ができていないので、定めようがないという場合もあ ります。
様々な事情があるのは仕方ないのですが、従業員への分かりやすさという点では、「就業規 則を読めば自分の賃金のことが分かる」という状態にしておくべきでしょう。
そのことが、働く安心感につながるのです。
人事処遇制度(格付や等級・役職、人事評価制度など)が分かれば、自分の将来像、そして キャリアプランを考えることができます。
そのことが活性化につながります。
福利厚生や安全衛生のことが具体的に示されていれば、働く安心感につながります。
つまり、就業規則で何をどのように説明するかで、働く人の安心感と活性度は大きく異なってくるのです。
これは、「生産性」と「規律」の2つを意味します。
就業規則に定める労働時間管理制度や賃金制度は、生産性に大きな影響を与えます。
同時に、時短にも関係します。
どういう方法がいいかは一概に言えません。
フレックスタイム、裁量労働、変形労働など、いろいろな選択肢があります。
いずれにしろ、就業規則を検討する中で、「働き方」をどうするか検討してみるのがいいでしょうね。
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