就業規則の重要な機能に、「労務リスク管理」があります。
就業規則の作り方ひとつで、このリスクの大きさが変わってきます。
言い方を変えると、就業規則を上手に作ることで、リスクを最小限に抑えることができるのです。
これは次の3つに分類できます。
このようなリスクは以前から存在していたものですが、近年特にリスクが高くなっています。
それは次の3つが主な要因です。
90年代の不況・リストラ時代を経て、「自分の身は自分で守る」という意識を誰もが持つようになっています。
そのひとつがキャリア開発志向であり、もうひとつが法律意識。
誰もが名前を知っている大企業が倒産したり、人員整理を行うのを目の当たりにし、「この会社にいれば定年まで安泰」という、幻想と言えなくもない感覚が人々の頭から消え去りました。
また、人事・賃金制度も、単純な年功序列を続ける会社はほとんど消滅し、成果・貢献度を 重視したものに変貌しました。
この流れが逆転することはないでしょう。
個人の権利意識も高まっています。
これらは、良い・悪いの問題ではありません。
また、インターネットで何でも検索できる状況です。
法律に関する情報も、ネット上にあふれかえっています。
権利意識・法律意識が高まり、理論武装もした人が増えている中、会社もしっかりとしたリスク対応をしておかないと危険なのです。
個別労働関係紛争解決促進法、労働審判法など、労務トラブルを解決する手段が整備さ れてきました。
これ自体は、紛争の迅速な解決を可能にする効果的な制度ですし、大いに結構なことです。
労働裁判というのは、長期化するものが少なくありませんから。
ただ、当然これは、労務トラブルを公の場に持ち込む手段が増えたことを意味します。
その分、労務トラブルが表に出やすくなったわけです。
長時間労働、メンタルヘルス、セクシュアルハラスメント、偽装請負・違法派遣、ワーキング プアの問題など、雇用・労働をめぐる問題への関心が、近年急速に高まっています。
これには様々な要因があり、単純に「これが悪い」と言うことはできません。
成果主義や規制緩和が諸悪の根源のように言う向きもありますが…
それはともかく、労務トラブルに対する世間の目が厳しくなっていることは確かで、その分、 問題が顕在化しやすくなっています。
その点からも、労務リスクへの備えは万全にしておく必要があります。
このように労務リスクは、以前に比べてとても高くなっています。
対応を誤った場合、会社は思わぬダメージを被ります。
関連リンク
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