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残業をめぐる法律問題(6)〜残業手当(2)残業手当の基礎賃金、残業時間の計算

残業や休日出勤、深夜勤務の場合に支払う割増賃金の額は、「通常の労働時間または労働日の賃金額の25%(50%)、35%」となっています。

この「通常の労働時間または労働日の賃金額」とは、何を指すのでしょうか? 通勤定期代なども入るのでしょうか?

また、残業手当は、賃金の締切日ごとに、時間単位で計算します。

月給制の場合だと、1ヶ月ごとに残業時間を集計し、残業時間×1時間あたりの残業単価で計算した額がその月の残業手当になります。
この「残業単価」は、月給制の場合などはどうやって計算するのでしょう。

さらに、残業時間は、分単位まで出さないといけないのでしょうか?
1時間単位にすることは許されるのでしょうか?

(1)割増賃金算定の基礎賃金

割増賃金を計算する(残業単価を計算する)元になるのは、原則として賃金すべてです。
ただし、次の賃金は除外することができます。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われる賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

諸手当の名称、内容は会社によって様々です。

ですから、除外できるかできないかは、実態に即して判断しなくてはなりません。
たとえば、家族手当という名称でも、家族数に関係なく一律に支給されている場合などは、除外することはできません。

(2)時間当たり賃金の計算

次に、残業手当などの基になる、1時間あたり賃金の算出方法はどうなっているかというと…

  1. 時間給の場合は、その金額
  2. 週給の場合は、週給を週の所定労働時間数で除した金額。
    もし週によって所定労働時間が異なる場合は、4週間における1週平均所定労働時間数
  3. 月給の場合は、月給を月の所定労働時間数で除した金額。
    月によって所定労働時間数が異なる場合は、年間の1ヵ月平均所定労働時間数

面倒なのは、最後の部分です。 そして、これが一番一般的なパターンだと思います。休日の状況によって、月ごとの所定労働時間数は異なりますから。

実務的には次のように算定します。

  1. まず1年間の所定休日数をカウントします。(もし土日と祝日が所定休日なら、これらの日数全部です) もしこの日数が120日、1日の所定労働時間が8時間だったとすると…
  2. (365日−120日)×8時間=1960時間→これが年間の所定労働時間数となります 3)1960時間÷12ヵ月=163.3時間→これが「年間の1ヵ月平均所定労働時間数」となります。
    ですから、割増賃金算定の基礎賃金が300,000円の人の場合、 300,000円÷163.3=1837.11円→これが1時間あたり賃金 1837.11円×1.25=2296円→これが1時間あたりの残業手当 となるわけです。
(3)端数の計算

<残業時間>

まず、1日の残業時間は分単位まで出さなくてはなりません。

ただし、1ヶ月分の残業時間を集計した時間数に1時間未満の端数がある場合、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げるという端数処理は可能です。
これは休日勤務時間、深夜勤務時間も同様です。

<残業手当>

手当の端数はどうでしょうか?

これは、

  • 1時間あたりの単価計算で、50銭未満切捨て・50銭以上切上げ
  • 1ヶ月あたりの残業手当、休日勤務手当、深夜勤務手当の計算で、50銭未満切捨て・50銭以上切上げ
  • 1ヶ月の賃金総額計算で、50円未満切捨て・50円以上切上げ

――という処理が可能です。

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