賃金の決め方は「人基準」か「仕事基準」⑨~職能給、職務給、役割給のどれが適切か
ここまで、人基準賃金として年功給、職能給、仕事基準賃金として職務給、役割給を見てきました。
それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがあることがご理解いただけたかと思います。
では、当社はこれからどうしたらいいのか?
経営者、人事責任者・担当者の方は、当然ここが一番気になるところ。
どう考えていくべきでしょうか?
◆賃金制度を考える3つの視点
①会社の基本ポリシーを踏まえる
②会社の業務特性に合わせる
③組み合わせで考える
この3つの視点が大事です。
このうち最初の会社の基本ポリシーに関するお話は、今回のコラムのテーマとは離れてきますので、別の機会にすることにします。
◆会社の業務特性に合わせる
現状がいまどうなっているか、きちんと押さえたうえで制度を考えるようにします。
たとえば人事異動や職務転換がほとんど行われず、社員はそれぞれ、ひとつの仕事を極めていくという行き方になっている場合、職能給の柔軟さというのはあまり意味をもちません。職務給の方が向いていると思われます。
一方、いわゆる多能工化、マルチジョブ化を進めているような場合や、業務範囲が本人の能力や状況に応じて変化していくような場合は、職能給の柔軟さが有効です