賃金の決め方は「人基準」か「仕事基準」⑥~職務給、役割給

それでは今回は「仕事基準賃金」を見ていきましょう。

◆仕事基準賃金とは

仕事基準賃金の代表が職務給です。
これは、担当している職務のレベルに応じて賃金が決まるという仕組み。
賃金額は、職務に対応して決まっています。人ではありません。
職務に対して値付けをするわけですから、会社にはどんな職務があって、それぞれの職務はどれぐらいのランクになるのかを決める、「職務分析」「職務評価」という作業が必須になります。

仕事基準賃金のもうひとつの型が役割給です。これは職務給の派生型ともいえる賃金です。
職務を「役割」という基準で括り、職務を通じて果たしている役割の大きさを基準に賃金を決めます。

◆職務給、役割給のメリット~基準の明確さ

職務給のメリットは何といっても基準の明確さです。
もちろんこれは、前述の職務分析・職務評価がきちんと行われていることが前提ですが。

「どの仕事を現実にしているか」が基準ですから、曖昧さの入る余地はありません。

役割給の場合は「果たしている役割」という、「担当している職務」に比べると曖昧さの残る基準になりますが、この点は「役割」と「職務」の対応関係を定義することによってクリアできます。
(話はそれますが、この点は職能給も同様で、「能力」と「職務・課業」の対応関係があれば、曖昧さはクリアできるはずです。またこの話は別の機会に)

◆職務給、役割給のメリット~人件費の高騰の予防

職務給・役割給のもうひとつのメリットは、人件費の膨張をコントロールできるということです。
社員の高齢化が人件費に影響を与えることはありません。

論理的には、会社に存在する職務の「価値」の総トータルが賃金総額と一致します。
もしそこのバランスが崩れていたら、会社の実情に合わないレベルの職務が存在しているか、職務評価が不適切であったかのいずれかになります。
その場合は、職務編成の見直しまたは職務評価の修正を行います。

これ以外にも職務給・役割給のメリットはあります。
また、デメリットも当然あります。

次回、このお話をしましょう。

 

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2019年05月15日