無期転換に対応した人事制度の作り方(5)

前回に引き続き、無期転換に対応した人事制度設計のポイントをお話します。

B.「限定要因」と仕事の価値、成果の関係を明確に

限定型正社員は当然働き方が限定されます。それゆえに、無限定正社員と賃金に差をつけるという考え方も当然ありますし、不当ではありません。
ただし、その「差」を合理的に説明できるものにしなくてはなりません。
そうなると、賃金や賞与の構成要素をきちんと分類して考える必要がでてきます。
たとえば、次のような場合を想定してみます。
・会社に正社員と勤務地限定型正社員がいる
・賃金は役割を中心に他の要素も勘案して決める
・賞与は成果を基準に決める
この場合、正社員、勤務地限定型正社員の両者の役割の価値が同じなら、賃金のうち、役割対応部分は同じになります。一方、会社に人事異動のフリーハンドがある方が事業運営上の価値があるということであれば、この「価値」を数値化し、賃金に反映させます。また、賞与は上げた成果の大きさだけを基準に決めるようにします。

C.コース転換を認めるか

正社員と限定型正社員の転換制度を設けるかどうかを、会社の人材状況、事業の必要性、社員のニーズの3点から検討します。
また、転換制度を設ける場合、それが双方向なのか片方向なのか、転換は何回まで、どの程度の頻度で認めるのかといったこともつめます。

D.類型別検討事項

(1)勤務地限定型

1.限定範囲
限定範囲、すなわち、部署限定、事業所内限定、通勤可能圏内限定、一定エリア(関東圏内など)限定といったことを決めます。

2.期待役割
勤務地限定型正社員制度は社員のライフ重視型施策といえます。
とはいえ、ただそれだけでは社員のモチベーションという点で不十分です。会社としても、人材引きとめにとどまらない効果を期待したいところです。
勤務地限定型正社員ならではの価値として、地域の特性を熟知していることがあげられます。それを活かした営業活動、製品開発などに積極的に関わってもらうような人事を検討するのがいいのではないでしょうか。

(2)時間限定型

1.限定範囲
時間限定型の場合、勤務日数を限定するパターンと勤務時間を限定するパターン、両者の組み合わせパターンがあります。
本人のニーズと事業上の必要性の両者を勘案して設定します。

(3)職務限定型

1.限定範囲
職務とは、1人が担当する一連の業務の集まりと定義できます。
たとえば、営業職、人事採用職などです。
現実には、1人の社員が担当している業務には様々なものが混じりこんでいることが普通です。したがって、この職務というのは論理的な業務の集まりということになります。

 

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2018年12月20日