賃金の決め方は「人基準」か「仕事基準」③~年功序列はなぜ行き詰っているか

属人給のメリットは柔軟さにあると前回お話ししました。
これは、人事異動などで不慣れな仕事を担当することになっても賃金が下がらないということからきています。

このことが終身雇用慣行と相まって従業員の安心感につながり、腰を据えて業務や自己研鑽に取り組もうという動機づけになったのです。

また安心感や動機づけは、定期昇給という~かたちで毎年少しづつ賃金が上がる仕組みからもきています。
定期昇給は年功序列型賃金でみられる仕組みですが、能力給(職能給)にも存在します。毎年の「習熟」を賃金に反映させるということです。

ただしこのようなやり方が成り立つには、いくつか前提条件が必要です。

それは…
・人員構成が若年層中心であること
・能力のレベルがおおむね経験年数に比例していること
・特定分野のスペシャリストより、複数の業務をこなせるゼネラリストの方が必要とされていること
…この3つです。

高度成長期はこの3つの前提条件がほぼ揃っていたといっていいでしょう。
そのため、日本型人事、すなわち、年功序列型賃金と終身雇用が機能し、成長の推進力となったのです。

しかし時代とともに会社を取り巻く内外の環境は変わってきています。
上記の前提条件がすべて成り立っている会社はあまり見られなくなっています。

年功序列型賃金は行き詰まっているといっていいでしょう。

また、年功序列からの転換または修正を意図して作られた能力給(職能給)も見直しが必要です。
年功序列からの転換・修正ではあっても、「習熟」を反映させるという意図で毎年の定期昇給は行われましたし、降格・賃金ダウンはないという設計になっていましたから、年功的要素は依然として残っていましたし、実際の運用はかなり年功的になっていたからです。

 

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2019年05月10日