賃金の決め方は「人基準」か「仕事基準」②~属人給(職能給、年功給)のメリットは

賃金の決め方には、「属人給」と「仕事給」があります。

◆属人給、仕事給とは

「属人給」とは、その人の属性、身につけたものを基準に賃金を決定する方式です。
次のものが代表的です。

・年功給:年功(年齢、勤続年数、毎年の功労の積み上げなど)によって賃金を決める
・能力給、職能給:身に着けた能力のレベルによって賃金を決める

一方「仕事給」は、その人が担当している仕事のレベルなどによって賃金を決定する方式です。

・職務給、役割給:担当している職務や役割のレベルによって賃金を決める
・成果給、業績給:達成した成果や業績によって賃金を決める

◆属人給(能力給、年功給)のメリットは柔軟さ

属人給のメリットは柔軟さです。

何が、どう柔軟なのでしょうか?

ここで、会社での人材活用のありかたを考えてみましょう。

採用された社員はどこかの部署に配属されますが、定年まで同じ部署のままとは限りません。
特に、規模が大きくなればなるほどそのような人は稀で、数年単位で部署異動を繰り返すことの方が一般的です。
部署を異動しても業務そのものは同じということもありますが、一方で、たとえば営業部から経理部など、全く異なる業務になることもあります。

このような場合、担当している仕事のレベルによって賃金が決まるのであれば、その人の賃金は下がります。
営業のベテランであっても、経理業務は初心者だからです。

もしこのようなことになったら、人事異動に応じる社員はいなくなります。
人事権を行使して強引に実行しても、不満が蔓延するでしょうし、労働条件の不利益変更という法的問題にもつながります。

事実上、ジョブ・ローテーションはできなくなります。

その点、「その人が身に着けたもの」が基準になる属人給であれば、担当する仕事が変わっても、賃金が下がることはありません。身に着けたものが変わるわけではないからです。

そのため、人事異動や職務転換といった人事施策を、会社は柔軟に行うことができます。
これが高度成長期にはとても有効に機能したのです。

 

◆これからの人事・賃金制度INDEX◆

2019年05月09日