就業規則の実際(44)~賃金(5)

前回、賃金支払については労働基準法に、次の「5原則」が定められているというお話をしました。

1)通貨払いの原則
2)直接払いの原則
3)全額払いの原則
4)毎月払いの原則
5)一定期日払いの原則


今回は「全額払いの原則」、「毎月払いの原則」、「一定期日払いの原則」についてお話します。

 

全額払いの原則

賃金は全額本人に支払わなければなりません。
いわゆる「ピンはね」は違法です。
日雇い派遣では、日給から「データ装備費」と称する経費が差し引かれていたことが問題になりました。これは、その費目自体の不透明さとともに、全額払いの原則に反する疑いが問題となったのです。


ただし、全額払いには次のように例外が2つあります。

①法令に定めのあるもの
源泉所得税や社会保険料などです。

②労使協定のあるもの
過半数労働組合または過半数代表者と書面で協定を結んだものについては、賃金からの控除が可能です。
社員食堂の利用料、財形貯蓄などの積立金などが一般的です。

 

毎月払いの原則

賃金は毎月1回以上支払わなくてはなりません。
したがって、年俸制であっても、実際の賃金支払は毎月行わなくてはなりません。

ただし、賞与や臨時の賃金は除きます。
たとえば、一定期間の勤怠状況に応じて支払う「精勤手当」などは、1ヵ月を超えて算定する方が適切であれば、毎月支払わなくても構いません。しかし、その必要性がなく、ただ毎月払いの適用を回避するためだけである場合は、違法となります。

 

一定期日払いの原則

賃金は「毎月○○日」というように、期日を定めて支払わなくてはなりません。
日にちが特定されていなくても、たとえば、週給制で「毎週金曜日」とか、月給制で「毎月末日」という定め方は問題ありません。
しかし、月給制で、「毎月第3金曜日」とか、「毎月20日から25日の間」という定め方はできません。

また、支払日が休日になる場合、支払日を繰り上げ・繰り下げすることは問題ありません。


以上、賃金支払の5原則のお話をお話してきました。
これらは賃金にかかる基本的なことがらですので、遵守することはもちろんのこと、就業規則にも定めなくてはなりません。

 

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2019年02月27日