就業規則の実際(40)~賃金(1)

賃金の重要さは、改めて言うまでもないぐらいのことでしょう。

働く人にとっては、賃金が生活の唯一または最大の糧です。
そのため労働基準法でも賃金については、厳しい規制をかけています。
この点については、またお話します。

一方、会社にとっても賃金は、人材マネジメント上の重要なツールです。
ここをいかに設計・運用するかで、賃金が、「利益を圧迫するコスト」か「価値を生み出す投資」になるかが決まります。

人事戦略、人材マネジメントと賃金について書き始めると、それだけでたいへんなボリュームになってしまいます。
「就業規則講座」という本題からはずれていきますので、これについては近日、別のコラムを立ち上げて、いろいろとお話していきたいと思っています。

ここでは、賃金とは何かということをおおまかに俯瞰しておきましょう。

 

賃金決定の「3原則」

従業員1人1人の賃金をどうやって決めるのかは、会社によってさまざまです。
ただ、どんな方法にも共通の原則というのがあります。それを「賃金決定の3原則」といい、次の3つになります。

1)労働対価の原則
2)生活保障の原則
3)労働力の市場価格

普段は、このようなことを意識することはありません。しかし、この3原則を無視して賃金体系をつくったり、賃金額を決めることはできないのです。
意識する・しないにかかわらず、賃金はこの3原則の枠組みで決まります。

 

賃金の公平性

賃金を決める際に、3原則以外に考えなくてはならないのが、「内部公平性」と「外部公平性」です。
これは、自分の賃金額が社内外の水準と比べて妥当と感じるか不公平と感じるかということです。

 

会社の支払い能力

賃金額を決定する要因は以上の通りですが、何であれ賃金総額(正確には人件費総額)は会社の支払能力を超えることはできません。

 

賃金の決定基準~賃金体系

賃金の決定基準を、「賃金体系」といいます。
もちろん、賃金を決める要素は、ひとつだけとは限りません。担当している職務の価値や本人の能力を基本に、需給関係や生活を勘案して決めるのが現実です。
ただ、その中で、一番基本になる、会社としてもっとも重視する基準があります。(もしなければ、新たに作ります)。この基準を何にするかが、賃金体系ということになるのです。
したがって賃金体系は、前述の「格付制度」とリンクするのが、もっとも理にかないます。

代表的な賃金体系は、次の通りです。

役割給:担っている役割のレベル
職務給:担当している職務のレベル
職能給:身につけた能力のレベル

 

均衡処遇、同一労働同一賃金

 

いま一番重要でホットなテーマですね。
この問題は別にコーナ-を設けてお話していきます。

 

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2019年02月05日