就業規則の実際(38)~退職、解雇(3)

就業規則の作成には、さまざまなノウハウがあります。

・会社の規模・体力
・業種・業務実態
・人事政策
・従業員構成

こういう点をふまえて、一言一句吟味して作ります。
そうしないと、会社の実態に合わない、使い勝手の悪い就業規則ができあがってしまいます。

労務トラブルの中でも、退職・解雇にかかるものはトップクラスです。
(他にはハラスメント、メンタルヘルスがありますが)

そのため、就業規則にも、退職・解雇に関する事項は特に注意して定める必要があります。

就業規則作成講座、今回も退職・解雇に関するお話です。

 

いわゆる「リストラ解雇」

会社の経営上の理由で、従業員を解雇せざるを得ないことがあります。
いわゆる「リストラ解雇」。
やりたくない話ですが…

さて、この整理解雇を実施する場合は、しかるべき要件があります。

これを「整理解雇の4要件」と」いいます。

この要件を満たしていないと整理解雇は無効とされる可能性が大です。

 

判例が元

この「整理解雇の4要件」は、判例で示された考えで(東洋酸素事件・1979年東京高裁)、その後の裁判でも、これを踏襲したものが多く見られます。

労働契約法でも、これを法文化することが検討されましたが、見送りとなりました。
「4要件を踏襲した判例が多く見られる」のは事実ですが、一方で、この要件にこだわらずに判断している判決も見られ、確立した判例法理とまでは言えないといことからだと思われます。

とは言え、4要件が解雇有効・無効の重要な判断要素であることは確かです。
実務上はこの4要件を無視することはできません。

 

整理解雇の4要件

次の通りです。

①人員削減の必要性
②解雇回避の余地がないこと(他部署への配転などによって解雇を回避する努力を尽くしていること)
③対象者の選定基準の合理性(基準が客観的・合理的であること)
④解雇手続の妥当性(労使協議、労働者への説明等の手続を踏んでいること)


整理解雇は、実施する側・される側ともに、相当な痛みを感じる行為です。
される側にとっては、死活問題です。
会社にとっても、様々な傷跡が残ります。

もし、やらざるを得なくなったら、誠意をもって、十分な理解が得られるような努力をしましょう。

 

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2019年02月01日