就業規則の実際(30)~労働時間、休日、休暇(13)~適用除外(1)

就業規則作成講座、これまで数回にわたって、労働時間に関する法律問題をお話してきました。

このような労働時間規制の適用が除外されるケースがあります。
それは次の通り。

1)監視・断続労働
2)管理監督者、秘書業務

今回はこのうち、監視・断続労働についてお話します。

 

どんなに手待ち時間が長くても、全部労働時間に?

宿直などの場合でも、法定労働時間8時間など、労基法の労働時間規制は適用されるのでしょうか?
法定労働時間を超える時間には、時間外手当を支払わなければならないのでしょうか?

また、役員車の運転手などの場合も?

もしそうだとしたら、時間外手当の額が膨大なものになりかねません。
なぜならこういう業務の場合、いわゆる「手待ち時間」が長いため、拘束時間も長くなるからです。労基法では、手待ち時間も労働時間になるのです。

 

監視・断続労働の適用除外

労基法第41条第3項に、監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けた場合は、労働時間規制の適用除外となるということが定められています。

※ただし、深夜業の規制は適用除外にならないので注意が必要です。

 

どんな業務が対象に?

監視業務の対象は、「常態として身体又は精神的緊張の少ない業務」。
たとえば、次のようなものは該当しません。
 1)交通関係の監視、誘導を行う駐車場の監視など、精神的緊張の高い業務。
 2)プラント等における計器類を常態として監視する業務
 3)危険又は有害な場所における業務

断続的業務とは、休憩時間は少ないが手待ち時間の多い業務のことです。役員車の運転手などが、これに該当します。

なお、断続労働と通常の業務が1日の中に混在するような場合は該当しません。

 

日によって宿直がある場合は?

適用除外は、断続的業務を本来業務としている場合だけに限りません。
たとえば、普段は会社の通常の業務をしているが、当番制で宿直をする場合なども該当します。

次のような条件にあてはまれば、断続的労働と認められます。
(「宿直」と名づけてあれば何でもOKというわけではありません)。

・常態としてほとんど労働する必要がない。
・定時的巡視、緊急の文書や電話の収受、非常事態に備えての待機を目的とするものに限る。

また、宿直手当は、その事業場で宿直勤務につく可能性のある同種の労働者の賃金の1人1日平均額の1/3以上を基準とします。

 

所定労働時間を超えた場合は?

監視・断続労働であっても、所定労働時間は定めなくてはなりません。(1日8時間という法定労働時間の縛りはない、というだけです)。

その所定労働時間を超えた場合の賃金をどうするかは、会社の「決め」。
たとえば--
1)通常の労働時間の賃金を支払う
2)割増賃金を支払う
3)それ以外の方法で決めた賃金を支払う
--どの方法でもOKです。

 

深夜勤務の場合は?

ただし、深夜業の割増賃金は支払わなければなりません。
その場合の、時間当たり単価は、所定労働時間に対応させます。
もし所定労働時間が10時間、日給10,000円とすれば、1,000円の2割5分ということになります。

夜間の警備員業務などはどうしているのでしょうか?
毎日、深夜勤務手当を計算し、支払っているのでしょうか?
もしかしたら、そうかもしれませんが…

もし所定内賃金に、深夜の割増賃金分が含めれており、それが就業規則などで明らかになっていれば、さらに深夜業手当を支払う必要はありません。

 

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2019年01月25日