就業規則の実際(29)~労働時間、休日、休暇(12)

就業規則作成講座、今回は時間外労働、休日労働、深夜労働をさせたときの割増賃金についてご説明します。

 

時間外等の割増賃金

会社は、残業や休日労働をさせた場合は割増賃金を支払わなければなりません。
「残業代」、「残業手当」、「時間外手当」、「休日出勤手当」などと称されるものですね。

割増率は、残業の場合は25%以上、休日労働の場合は35%以上、深夜労働(午後10時から午前5時)の場合は25%以上です。
なお、残業時間や休日労働が深夜時間帯に及んだ場合、その部分については、残業+深夜の割増率(25%+25%=50%)または休日労働+深夜の割増率35%+25%=60%)となります。

また、月60時間を超える時間外があった場合、超えた時間については50%以上の割増率にしなくてはなりません。
この規定は、中小企業については適用が猶予されていましたが、2023年4月1日からは猶予措置がなくなります。


それでは、フレックスタイムや変形労働時間制を採用している場合、残業時間はどうカウントすればよいのでしょうか?
日によって働く時間が短かったり(所定労働時間未満ということ)、長かったりしますが…

また、1日の所定労働時間が8時間未満の場合、残業時間のカウントはどうすればよいのでしょう?法定の労働時間は8時間。そして、労基法が規定する残業とは、法定労働時間の8時間を超える労働のことです。それでは…

同じように、週休2日制の場合の休日労働手当は?

 

法内残業の場合

たとえば、始業9時、終業17時、休憩1時間、などという場合、拘束は8時間ですが、実働は7時間です。労働時間とは、この実働時間を指します。
17時を超えて仕事を命じた場合、17時~18時の1時間は、「法内残業」となり、この部分については、割増しない、「通常の労働時間の賃金」を支払えばOKです。

休日労働も同様に考えてかまいません。割増賃金の支払いが義務づけられるのは、法定休日、つまり1週1日または4週4日に業務をさせた場合です。
週休2日制、祝日など、法定休日を超えた休日に仕事をさせた場合、法内残業の場合と同様、通常の労働時間の賃金を支払えば足ります。

 

変形労働時間制を採用している場合の残業時間のカウント

次に、変形労働時間制を採用している場合の、残業のカウント方法を見ていきます。

(1)フレックスタイム
「清算期間」における法定労時間の総枠を超えた時間が、残業時間となります。
清算期間における法定労働時間とは、40時間(または44時間)×清算期間÷7で計算されます。

(2)1ヶ月変形
次の時間が、残業時間となります。
a.1日については、就業規則などで8時間を超える定めをした日は、それを超えた時間、そうでない日は8時間を超えた時間
b.1週間については就業規則などで40時間を超える定めをした週は、それを超えた時間、そうでない週は40時間を超えた時間(aの部分を除く)
c.変形期間については、変形期間の労働時間(40時間または44時間×(変形期間÷7))を超えた時間(a、bの部分を除く)

(3)1年変形
次の時間が、残業時間となります。
a.1日については、労使協定で8時間を超える定めをした日は、それを超えた時間、そうでない日は8時間を超えた時間
b.1週間については、労使協定で40時間を超える定めをした週は、それを超えた時間、そうでない週は40時間を超えた時間(aの部分を除く)
c.変形期間については、変形期間で40時間×(変形期間÷7))を超えた時間(a、bの部分を除く)

 

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2019年01月25日