就業規則の実際(27)~労働時間、休日、休暇(10)

就業規則作成講座、時間外労働に関する解説を続けます。
今回は36協定と、時間外の限度時間についてです。

 

36協定の特別条項

36協定には、時間外労働の限度を定めなければなりません。
そして、定めた以上は守らなければなりません。
とはいえ、現実には、その限度時間を超えてしまうこともあり得ます。それに対応する方法として、「特別条項つき協定」というものがあります。

これは、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い36協定の限度時間を超えて労働させる必要がある場合、特別条項つきの36協定に所定の条項を設けることにより、限度時間を超える時間外労働を命じることができるというものです。

 

特別条項の内容は

特別条項で定めるべき事項は次の通りです。

①限度時間を超えて労働させる事由
②限度時間を超えて労働させたときの割増賃金率
③特別条項発動の手続
④健康・福祉確保措置

 

特別条項を締結した場合の時間外の限度

特別条項を締結したからといって、時間外労働が青天井になるわけではありません。

この点も2019年4月1日施行の改正労働基準法により次のように定められています。

まず、36協定の限度時間を超えて労働させることのできるのは1年について6ヶ月以内となっています。
そして1年の時間外は720時間以内としなくてはなりません。

 

休日労働も含めた限度時間

法改正により、休日労働も含めた限度時間が定められました。
内容は次の通りです。

限度時間①
・期間:1ヶ月
・限度時間:時間外、休日労働の合計で100時間未満

限度時間②
・期間:2ヶ月ないし6ヶ月
・限度時間:時間外、休日労働の合計で平均80時間以内

②が分かりずらいところですね。

これはたとえば9月を起点に考えると--
・8月~9月の2ヶ月
・7月~9月の3ヶ月
・6月~9月の4ヶ月
・5月~9月の5ヶ月
--このいずれの期間をとっても平均80時間以内におさまらなくてはならないということです。

休日労働も入っている点が要注意です。
時間外労働だけ見ていて限度時間に収まっていると安心していても、休日労働を加えたら超えてしまっていたということがおこってしまうかもしれませんので。

また、この2つの限度時間は特別条項だけにかかる規制ではありません。
36協定の限度時間(月45時間以内)、特別条項の限度時間(年720時間以内)はあくまでも時間外労働だけが対象で法定休日労働は含まれません。
これだけだと、時間外労働は限度時間の範囲におさめて、法定休日労働増やしても問題ないということになり、上限規制が尻抜けになるおそれがあります。
休日労働も含めた2つの限度時間には、それを防ぐという意味があります。
この点も要注意ですね。

 

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2019年01月24日