就業規則の実際(24)~労働時間、休日、休暇(7)

年次有給休暇付与日

年休は、初回は6ヶ月、以後は1年ごとに付与します。

付与日には、次の2つのパターンがあります。

1)入社日を起点に付与
たとえば、4月1日入社の場合、初回付与日は10月1日、2回目は翌年10月1日となる。

2)全社一斉の基準日に付与

1番目の入社日基準は、従業員ごとに付与日が異なりますので、事務的に煩雑です。
付与漏れということも起こり得ます。
その点では、2番目の基準日方式の方が、実務的に運用しやすいのですが、法定基準を下回らないように注意しなくてはなりません。

たとえば、基準日を5月1日に設定し、基準日時点で勤続6ヶ月以上の従業員に付与するとした場合で、次のような扱いにしたらどうなるでしょうか?

・当年の4月1日入社者:当年5月1日は付与なし、翌年5月1日で10日付与。

この場合、当年10月1日で勤続6ヵ月となりますので、その時点で10日付与しなくてはなりません。
しかし、これをやっていると、何のために基準日方式を入れたのか分からなくなってきます。
そこで、当年5月1日時点で10日、前倒し付与します。

 

年次有給休暇の取得

年次有給休暇は、請求すれば使用できます。
会社が許可するという性格のものではありません。

許可制にしている会社をたまに見ますが、これはやってはなりません。

では、会社は従業員が請求するままに年休を使わせなくてはならないのか?
そこまで会社は強制されているわけではなく、「時季変更権」が会社にはあります。
これは、事業の正常な運営を妨げる場合に、他の時季に変更することができるというものです。

では、「事業の正常な運営を妨げる場合」とは何を指すかですが、通達では、「事業の正常な運営を妨げる場合とは、個別的、具体的に客観的に判断されるべきものであると共に、事由消滅後能あたう限り速やかに休暇を与えなければならない」とされています。

また、判例では---
「その企業の規模、年休請求権者の職場における配置、その担当する業務の内容・性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、時季を同じくして年休を請求する者の人数等、諸般の事情を考慮して制度の趣旨に反しないように合理的に決すべきものである」

「法の趣旨は、使用者に対し、できるだけ労働者が指定した時季に休暇を取れるよう状況に応じた配慮をすることを要請しているものとみることができる。使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはできない」
---このように示されています。

「この忙しいのに年休なんて取らないでくれ」というだけでは、時季変更権の行使はできませんので、注意しましょう。

 

年休の時季指定義務

2019年4月1日から会社は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日については、使用者が時季を指定し取得させることが必要となりました。

ただし、年次有給休暇を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用よる時季指定不要です。
また、労働者が自ら申し出て取得た日数や、労使協定による計画的付与についは5日から控除することができます。

 

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2019年01月21日