働き方改革への取組(14)~労働時間短縮への取組⑬

労働時間の上限規制について、改正法ではどうなるのかをお話してきました。

いろいろと多岐にわたっていますが、整理すると次の2つが柱になっています。

①36協定による限度時間が法律の条文に「格上げ」され、遵守義務となった
②36協定の特別条項に上限規制が新設された

①の限度時間そのものはこれまでとほぼ同じです。
その点では、実務的な影響はそれほど大きくないと思われます。
しかし、これまでが「基準に適合したものとなるようにしなければならない」とされていたのが、法改正で「限度時間を超えない時間に限る」と、限度時間が遵守義務であることを明確にうたっています。

位置づけが大きく異なるのです。
ここは十分念頭におく必要があります。

一方、②の上限規制の新設は、既に特別条項付き36協定を締結している会社、これから締結しようとしている会社には影響が大きいと思われます。

ここでいたっている「1ヶ月100時間未満」と「2ヶ月ないし6ヶ月の平均80時間以内」という数字そのものは、労災保険の「脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」、いわゆる「過労死認定基準」にでてくる数字です。

そのため、この時間を超えて時間外をさせ、その結果働く人が健康を害したり、最悪死に至ったような場合、会社の責任度合いが重くなるリスクが高くなります。

そのため、これまでも特別条項付きの36協定を結ぶ場合、この過労死認定基準を念頭に置いていた会社も多いと思います。

しかし、労働基準法に明確に規定された意味は大きいですね。
この時間を超えたら、労災事故等の有無にかかわらずただちに法違反となるわけですから。

 

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2019年01月09日