働き方改革への取組(9)~労働時間短縮への取組⑧

これからの人事制度を、働き方改革法制を踏まえて考えていこうというシリーズ、いまは労働時間・残業時間規制についてお話ししています。

 

時間外労働にかかる規制を整理すると

会社が従業員に時間外労働を適法に命じるためには、次の要件を満たしていなくてはなりません。

① 36協定を締結し、就業規則に時間外を命じる旨が定めてある。
② 協定に定める時間外時間は限度時間以内になっている。
③ ②の限度時間を超えることがある場合は「特別条項」を36協定に定めている。
④ ③の場合でも、時間外は「絶対的上限」の範囲内である。

 

36協定の締結について指針が出されています

36協定はこれまで、時間外労働の抑制になっていないとか、形骸化しているといった批判がされていました。

私見ですが、このことが裁量労働制などの柔軟な労働時間制度を普及させる足枷になっているように思います。
「時間外労働が事実上の青天井になっている状況で労働時間規制を緩めたら、さらに酷いことになってしまう」というわけです。
生産性を上げ、競争力を高めていくうえで、新しい働き方の推進は必須だと思いますが、長時間労働の解消はその前提条件になるのです。

この問題はまた、別の機会にじっくりと考えてみたいと思います。

さて、上記の問題認識を受けて、今回の法改正に伴い「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針」と題する指針が出されました。

指針ではまず、「労使当事者の責務」として、次のように指摘しています。

「労働時間の延長及び休日の労働は必要最小限にとどめられるべきであり、また、労働時間の延長は原則として同条第三項の限度時間を超えないものとされていることから、労使当事者は、これらに十分留意した上で時間外・休日労働協定をするように努めなければならない。」

限度時間を超えないことを改めて謳っています。これは当然のことですね。

この指針、協定を結ぶ際に注意すべき事項が詳細に書かれています。
次回も続けます。

 

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2018年12月25日