新時代の賃金制度~同一労働同一賃金法制を読み解く②~本来の同一労働同一賃金

前回、同一労働同一賃金には次の2つの捉え方があるというお話をしました。

・本来の意味での同一労働同一賃金
・現在課題になっている(法制が求めている)同一労働同一賃金

今回は、1つめの「本来の意味での同一労働同一賃金」をみていきます。

◆本来の意味での同一労働同一賃金

これは要するに「同じ仕事なら同じ賃金を支払う」ということです。
したがって、正社員と非正規社員との間だけでなく、正社員同士、非正規社員同士についてもあてはまります。

いわゆる「職務給」の発想です。

◆同一労働同一賃金と同一価値労働同一賃金

実はこの2つは異なる概念です。

たとえば「人事・採用計画立案」と「営業・営業企画」は仕事の内容が異なります。
「同一」ではありません。
したがって、賃金もそれぞれで設定します。(結果として同じ賃金額になるかもしれませんが)。

「あなたの仕事は〇〇です。よって賃金は〇〇円になります」となるわけです。
仕事の内容が「職務明細」というかたちで文書化され、本人に手渡されます。

これが同一労働同一賃金の発想。

一方、「人事・採用計画立案」と「営業・営業企画」は、同じ価値と評価されたとします。
その仕事の価値に対して賃金を決めるという方法があります。
「人事等級」というかたちにするのが一般的です。

この場合、「あなたの人事等級は〇級です。よって賃金は〇〇円になります」となります。

これが同一価値労働同一賃金の発想です。

現在日本で言われている同一労働同一賃金は、厳密にいえば同一価値労働同一賃金といっていいでしょう。

 

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2019年12月20日