退職、解雇をめぐるトラブルと就業規則⑤~中途入社、成果が上がらずに解雇通告①

◆事例

自動車販売会社から機械メーカーに営業部長として転職したAさん、前職ではトップクラスの営業成績を上げており、自信満々でした。
採用面接の際も、売上拡大に必ず貢献してみせると答え、会社も即戦力として期待をしていました。

しかし、まったく違う業界です。取り扱い製品から営業手法、業界慣行に至るまで、あらゆることが異なり、Aさんの前職での経験やノウハウが活かせません。
ほとんど業績が上がらぬまま半年が過ぎたある日、Aさんは会社から、「会社はあなたを即戦力として採用したが、あなたは全く期待に応えていない。この先も期待がもてない。来月末をもって辞めてもらう」と解雇通告されてしまいました。

 

◆問題の所在

解雇をめぐるトラブルです。

働く人にとって解雇は、職を奪われ、生活の糧である賃金を失う、極めて痛手の大きいことです。
そのため、労務をめぐるトラブルでも、解雇にまつわるものは数が多く、かつ、深刻です。

解雇にも様々な態様があります。
主なものとして、つぎのようなものが上げられます。
これらは就業規則にも記載されています。

・勤務態度が悪いことを理由とした解雇
・能力が不足していること、成果が上がらないことを理由とした解雇
・規則違反、不祥事などを理由とした懲戒解雇
・業績不振による整理解雇
・地震などの自然災害により事業継続が不可能になったことによる解雇

この事例は、能力不足を理由とした解雇になります。
このような解雇は、どの程度まで許されるものなのでしょうか?
少しでも能力が足りないというだけで解雇されては、働く人はたまりません。
もっとも、そのようなことをしていては、会社ももたないと思いますが。

いずれにしろ、能力と解雇の問題は、次の点が重要なポイントになります。

・能力がどの程度不足していれば、解雇となってもやむを得ないとなるのか
・逆に言えば、どの程度まで能力が足りていれば、解雇まではされないのか、されたとしても、「不当だ」と言えるのか

次に、会社の教育についてはどう考えるべきでしょうか。
能力が不足している社員に対し、会社は教育をする義務があるのではないでしょうか。
そういうことを一切しないで解雇など、していいものでしょうか。

Aさんはもうあきらめるしかないのでしょうか?何か打つ手はあるのでしょうか?

 

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2019年12月08日