年次有給休暇をめぐるトラブルと就業規則②~有給休暇の取得理由を偽ってしまったが…②

◆年次有給休暇を取るのに理由は必要か

年休を使うときの手続きは会社によって様々です。
「年次有給休暇申請書」のような書類を書いて上司に出す会社もあれば、口頭で言えばいい会社もあります。
ここは、会社の就業規則や運用内規を確かめてください。

年休を申請するとき、年休を取る理由を書かせたり、聞いたりする会社もあります。
Aさんの会社もそのようです。

しかし、そもそも年休は働く人の権利のはずです。取る理由も制限されていません。
それなのに、なぜ理由を聞くのでしょうか?
本当は聞いてはいけないのではないでしょうか?

年休の取得理由を会社は聞いてはならないということはありません。
ただ、理由を書かなかったり、言わなかったとしても、それを理由に年休を認めないというのは違法になります。
つまり、強制まではできないということですね。
あなたが上司だったら、この点は念頭に置いてください。

では、なぜ理由を聞くのかといえば、会社はその人の年休取得時季をずらすことがあるからです。
これを「時季変更権」といい、労働基準法で認められています。

もちろん、上司が自由自在に部下が申請してきた年休の時季を変えることはできません。
それができるのは、業務に多大な支障をきたすという場合だけです。
たとえば、もし同じ部署で、たまたま何人もが同じ日に年休を取りたいと言ってきたら、業務が止まってしまうかもしれません。
そんなときは、上司はそれぞれの年休取得理由を見て、あまり重要ではないと思われる理由や、ずらしても問題ない理由だと判断した人に休暇日をずらしてもらうようにするわけです。

 

◆申請理由に虚偽があった場合

申請理由に虚偽があっても、時季変更権を上司が行使する必要がなければ、実質的な支障はありません。
そもそも理由を言わなくても年休は取得できるわけです。
また、申請理由に虚偽があっても、年休の取得は妨げられないとされています。
したがって、無断欠勤として扱うことはできません。

 

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2019年11月21日