労働時間をめぐるトラブルと就業規則⑩~休日出勤命令は拒否できる?③

ほとんどの会社の就業規則には時間外労働、すなわち、残業や休日出勤のことが書かれています。

ただ、時間外労働というのは、もともとの労働時間をオーバーした部分、つまり契約外の労働ということになります。
このような労働を命じた場合、個人の事情との関係はどうなるのでしょうか?

 

個人の事情はどこまで考慮されるのか

残業命令と個人の事情を比較した場合、どちらかというと、残業命令が優勢といっていいでしょう。

日本では、残業命令は比較的幅広く認められています。

解雇規制が厳しい分、残業量の調整によって業績変動に対応しているためです。
つまり、会社は業績が良くなって業務量が増えても、ある程度までは残業で対応し、人員は増やしません。
一方、業績が悪化して業務量が減っても、残業を減らすことで対応し、人員削減にすぐには踏み切らないのです。

もちろん、個人の事情にもよります。

身内の不幸といった重大なことであれば、個人の事情が優先されるでしょう。
一方、友人との飲み会や恋人とのデートといったことであれば、残業命令優先となると思われます。

では、休日出勤命令の場合はどうでしょうか?

休日出勤も残業と同じく、広い意味で「時間外労働」です。
しかし、同じ時間外労働でも、両者の間には大きな違いがあります。

残業の場合、既に労働日となっていた日の労働時間を、所定より延長するに過ぎません。(「過ぎません」と言うのは語弊があるかもしれませんが)。
一方、休日出勤というのは、元々労働義務から解放されていたはずの日に出勤をさせるということです。

そういう点から、休日出勤命令と個人の事情との比較では、個人の事情が優勢と考えられます。

したがって、どうしても休日に行わなくてはならない業務であるとか、その人でないとできない業務であるといった事情がないと、個人の事情より業務命令を優先させることは難しくなってきます。

 

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2019年11月06日