パワハラ防止講座⑧~パワハラ防止法制の内容は④~要注目!参院附帯決議③

◆パワハラの判断基準は~続き

参議院で「パワーハラスメントの判断に際しては、「平均的な労働者の感じ方」を基準としつつ、「労働者の主観」にも配慮すること」という附帯決議がなされました。

前回も述べましたが、ハラスメントの判断では、被害者本人がどう感じたかも重要なポイントであることは確かです。
ただ、本人の主観を過度に強調してしまうと、今度は、本人が「それ、パワハラです」と言えば何でもパワハラになってしまうということになりかねません。
その結果、上司がするべき注意・指導もできないということになり、管理職が機能不全に陥ってしまいます。

加えて、管理職が機能しなかったために部下のメンタルヘルス不調などが引き起こされてしまったような場合、会社や管理職が配慮義務違反、善管注意義務違反に問われるというリスクも出てきます。

パワハラ管理職は失くさなくてはなりませんが、だんまり管理職・無作為管理職も存在してはならないのです。

この附帯決議が指針などにどう反映されるのか、要注目です。

 

◆その他、附帯決議での注目ポイント

<第三者からのハラスメント・迷惑行為>

・附帯決議は指針に、自社の労働者が取引先、顧客等の第三者から受けたハラスメントについても雇用管理上の配慮が求められることを記載するよう求めています。
また、以下のような指摘もしています。
・近年、従業員等に対する悪質クレーム等により就業環境が害される事案が多く発生していることに鑑み、悪質クレームを始めとした顧客からの迷惑行為等に関する実態も踏まえ、その防止に向けた必要な措置を講ずること。
・訪問介護、訪問看護等の介護現場や医療現場におけるハラスメントについても、その対応策について具体的に検討すること。

 

<第三者へのハラスメント>

附帯決議は、自社の労働者が社外の人に対する以下のような行為も雇用管理上の配慮が必要なことを指針に記載するよう求めています。
・自社の労働者が取引先、就職活動中の学生等に対して行ったハラスメント(おわゆる「終われハラスメント」など)

 

<LGBT、アウティングへの対応>

・附帯決議は、性的指向・性自認に関するハラスメント及び性的指向・性自認の望まぬ暴露であるいわゆるアウティングも雇用管理上の措置の対象になり得ること、そのためアウティングを念頭においたプライバシー保護を講ずることを指摘しています。

附帯決議の内容がどのように指針に反映されるかはまだはっきりしませんが、実務に少なからぬ影響を与えるものと思われます。

 

◆◆パワハラ防止講座目次はこちらです◆◆

2019年10月23日