社員が業務災害、通勤災害にあったとき(7)傷病補償年金

前回お話しした通り、業務上の傷病で労働することができず、賃金を受けていないときは、休業補償給付が支給されます。

さらに、その傷病が長期間治らず、かつ、その傷病による障害の程度が一定以上の場合は、傷病補償年金が支給されます。

この給付は、他の給付とは異なり、政府の職権により支給決定がされます。
(それ以外のものは、本人が請求することにより支給決定されることになっています。)

「障害の程度」という文言から、障害補償給付と混同しがちですが、こちらは、傷病が治癒した後で障害がのこった場合の給付です。
一方、傷病補償年金は、まだ治癒していない状態での給付です。

傷病補償年金を受けるようになったら、それまでの休業補償給付は受けることができませんが、療養補償給付は受けることができます。


<給付の概要>

負傷や疾病の療養開始後1年6ヶ月を経過した日又はその日以後、次の要件に該当するときに支給されます。

1)負傷や疾病が治っていないこと
2)障害の程度が傷病等級表(1級~3級)の傷病等級に該当すること

傷病補償年金を受けられる人は、傷病特別支給金が一時金として支給されます。

また、「算定基礎日額」をベースにした「傷病特別年金」も支給されます。

算定基礎日額とは、事故発生日または診断によって疾病の発生が確定した日以前1年間に被災者が受けた特別給与の総額を365で割って得た額です。特別給与とは、賞与など3ヶ月を超える期間ごとに支給される賃金をいいます。

 

<傷病補償年金、傷病特別支給金、傷病特別年金の額>

 

②手続

傷病補償年金は政府(労働基準監督署長)の職権によって支給決定がされます。そのため、請求手続は必要ありません。
ただし、療養開始後1年6ヶ月を経過しても傷病が治っていない場合は、「傷病の状態等に関する届」を所轄労働基準監督署長に提出します。

 

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2019年10月09日