労働時間をめぐるトラブルと就業規則⑥~自宅持ち帰り仕事⑥

AさんがAさんなら②

この事例について考えるべきもうひとつの重要なポイントは、Aさんの業務。すなわち、業務量や業務の状況です。

Aさんは、明日までに企画書を上司に提出するよう命じられていたわけですが、本当に明日でないといけないのでしょうか。
その点をまず上司に確認する必要がありましたね。

上司は、仕事の〆切にバッファーを入れることが多いです。
つまり、ある程度の遅れを見込んでいるわけです。
ですからAさんは、上司に「本当の〆切」を確かめるべきだったのです。
そのようなコミュニケーションが仕事を円滑に進めるポイントになります。

もしAさんの業務が、どう段取りをしても定時間内に業務を終わらせることが不可能な量であったとしたら?
どうしても残業が認められず、一方で業務が定時に終わらないことが明らかなら、残業代を支払うよう会社と争うこともできます。

そこまでしないという場合、上司と話し合い、折り合いをつけていくようにします。
特別に残業を認めてもらう、あるいは業務量を減らしてもらうなどの対策をとってもらうよう働きかけてください。

また、「経費節減」というのは、電気代などの光熱費だけのことなのかもしれません。
そうであれば、在宅仕事も認められる余地ありです。

しかし、くれぐれも、自分で「仕方ないだろう」と勝手に判断しないように。
それをやって損をするのは、結局のところAさん自身なのです。

上司にしても、業務はきちんとこなしてほしいのです。当然。
しかし、会社の方針に逆らうわけにもいきません。
ポストが上がるほど、その縛りはきつくなります。

管理職は経営者と一体の立場にあるとされています。
管理職が会社の方針に逆らうのは、大げさに言えば、自己否定にもつながるわけです。
部下のAさんは、そこを理解した方がいいです。
管理職が困った立場にならないように考えることも、組織人たるAさんが取るべき行動ですし、結局はそれがAさんのためになるのです。
この事例で言えば、Aさんは会社が打ち出した方針に沿いつつ成果を出すにはどうしたらいいかを考え、上司とよく話し合う必要があります。

 

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2019年10月11日