社員が業務災害、通勤災害にあったとき(5)療養補償給付(2)

業務災害、通勤災害にあったが、健康保険で治療を受けた場合

被災者が私傷病のときと同じように健康保険で治療を受けた場合は、労災保険に切り替えます。

これは、①かかっていた病院が労災指定病院であったか否か、②病院が診療報酬請求の手続きを済ませていたか否かによって、取るべき手続きが異なります。

1)労災指定病院等の場合

1.まず病院に、労災保険を使う旨を伝える

2-1.もし病院が、診療報酬の請求などの処理を済ませていなければ、最初から労災扱いにしていたことにできる。
この場合、「療養補償給付たる療養の給付請求書」を治療を受けている病院を経て労働基準監督署に出す。それまで支払っていた健康保険の一部負担金(治療費等の3割)は病院の窓口で返してもらう。

2-2.もし病院が、診療報酬の請求などの処理を済ませてしまっている場合、次の処理が必要。

イ.健康保険協会(または健康保険組合)にこれまでの分は労災にする旨を伝え、これまでかかった治療費の全額を被災者が病院等に支払う。

ロ.労働基準監督署に「療養補償給付たる療養の費用請求書」を提出し、療養の費用の給付を受ける。

ハ.上記と並行して病院に、今後は労災を使う旨を伝え、「療養補償給付たる療養の給付請求書」を治療を受けている病院を経て労働基準監督署に出す。(これ以後は、本人負担は発生しない)。

2)労災非指定病院の場合

2-2のイ、ロと同じになる。


<病院を変更する場合>

「療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」に事業主の証明を受け、変更先の病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出します。

<通期災害の場合の一部負担金>

通勤災害の場合、被災者は200円の一部負担金を支払わなくてはなりません。
支払は、休業給付から控除する形で行われます。

ただし、休業3日以内の場合、休業給付を受けない場合、第三者行為災害による場合は、一部負担金はかかりません。

 

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2019年10月01日