労働時間をめぐるトラブルと就業規則③~自宅持ち帰り仕事③

◆自発的残業をどう考えるか

残業の問題を考える際に、やはりまず見るべきは、会社の就業規則です。

一般的には次のように定めています。

(時間外勤務、休日出勤)
第○条 会社は業務上必要のあるときは、第○条所定の労働時間を超え、または第○条所定の休日に労働させることがある。社員は正当な理由無くこれを拒んではならない。

「社員が自己の判断で時間外勤務、休日勤務をする場合は、事前に所属長の承認を得なくてはならない」と、自発的残業のことを規定している例もあります。

いずれにしろ、残業は上司の指示により行うのが原則になります。
また、自発的残業を上司が承認したということであっても、承認行為が指示をしたことと同じになります。

上司の指示も事前承認も特にないまま、それぞれが自分の判断で残業を行い、上司がそれを黙認しているということもしばしば見られます。
このような場合も、「黙示の指示があった」とされます。

就業規則はごく短く「労働させることがある」とだけ書いてありますが、そこにはこのような意味が含まれているのです。

では、もし上司に事前に承認を求めたけど、認められなかったという場合はどうなるのでしょうか?
基本的に、そのような場合は残業はできません。
仮にそれを無視して残業をしたとしても、残業とは認められなくなります。
つまり「タダ働き」。

しかし、現実はそう単純ではありません。

残業をしないととてもこなしきれないほどの業務を抱えている場合は、いくら認められなくても残業せざるを得ないかもしれません。
このような場合、つまり、客観的にみて残業をせざるを得ない状況にあれば、上司が承認していなくても、残業と認められます。

また、これまでは残業が事実上黙認されていたのに、その日に限って上司が残業を認めなかったら?
これは争いになる可能性があります。
あなたが上司だったら、今後は黙認はしないということを前もって伝える必要があります。

 

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2019年09月20日