入社、採用、試用期間をめぐるトラブルと就業規則⑧~入社時の提出書類をめぐるトラブル⑤

◆あなたがAさんなら②

もうひとつ、要注意点です。

Aさんは、「書類を出すのが遅れたぐらいで…」と思っているようですが、この考えはすぐに改めた方がよさそうですね。

就業規則には「正当な理由なく前項の手続きをしない者は、採用を取り消し、または懲戒の対象とすることがある」とあります。
ここをしっかり認識する必要があります。
これはことさら大げさに書いているわけではありません。

会社が提出を求めているものを出さないというのは、そう軽い話ではありません。
特に、入社間もない時点で会社の指示に従わないとなると、「この先この人は、会社のルールや秩序を守っていけるのだろうか」と思われても仕方ありません。
信頼関係を崩す、というか、最初から信頼関係を築けないと判断されてしまいます。

Aさんのコミュニケーションにも問題がありそうです。

保証人が遠隔地に住んでいるということは、前から分かっていたことですし、そのために保証書が出来上がるまで時間がかかることも予想できたはずです。

社会人に大切なことは、必要な情報は事前に伝えるということです。
後になって「実は…」というのは通用しません。
本当にそれが理由なのかも疑われてしまいます。
いつまでに保証書が手元に来るかきちんと確認し、それを人事部に伝えるようにしましょう。

◆あなたが上司、人事部なら

人事部が、「このようなことでは入社取り消しもあり得る」と伝えたのは間違いではありません。
就業規則に基づいた話ですから。

ただし、実際に本採用拒否までいくかは、慎重に考えなくてはいけません。
その前に、十分な指導をすることが肝心です。

Aさんの性格も把握する必要がありますね。

本当にルーズな人なのか、コミュニケーションを取ることがうまくできない人なのかによって、指導のポイントも異なってきます。

また、指導の記録もきちんと取っておいてください。本当に本採用拒否という結論を出した場合、会社や上司が本人にどのような指導をしたのかが問題になることが多く、そのエビデンスが必要になるからです。

 

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2019年09月10日