サービス残業の監督指導状況

少し前ですが、先日、厚生労働省から平成30年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果が公表されました。
これは、賃金不払とし指導を受けて支払を命じられた額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。

これによると---
(1) 是正企業数 :1,768企業(前年度比 102企業の減)
(2) 対象労働者数:11万8,837人(同 89,398人の減)
(3) 支払われた割増賃金合計額:125億6,381万円(同 320億7,814万円の減)
(4) 支払われた割増賃金の平均額:1企業当たり711万円、労働者1人当たり11万円
---となっています。

前年(平成29年度)に比べると減っていますが、この年は10年間で、企業数、労働者数、支払額すべてで一番多かった年です。
特に支払額は446億円と突出しています。
2年前の平成28年度は、企業数1,349、労働者数20万5千人、支払額127億円となっており、企業数、労働者数については大幅増、支払額は微減という状況です。

依然として重点項目であることは変わらないと思われます。

明らかに残業をさせていて、それを会社も認識しているにもかかわらず残業代を支払わないという「確信犯」は別として、悩ましいのは、残業をさせているという認識がなかったところを、「残業」と判定されてしまうとうケースです。

根本的な対策は業務の生産性を上げることに尽きるわけですが、労働時間管理の面もきちんと考える必要があります。

ざっと上げると、次のようになります。
・タイムカードなど客観的な方法で出退勤時刻を把握する。
・タイムカードの打刻時刻とは別に業務の開始・終了時刻を把握する。
・タイムカードの時刻と業務開始・終了時刻の乖離を無くす。もしあった場合は原因を把握し、以後はそのようなことがないよう指導する。
・自発的残業については事前許可制を徹底する。
・業務が終わったらただちに退社するよう指導を徹底する。

また、フレックスタイム制、裁量労働制、変形労働時間制などの柔軟な労働時間管理制度を検討してもいいでしょう。
さらに言えば、そもそも労働時間とは何か、どこからどこまでが労働時間になるのかといったことへの正しい理解も重要ですね。

 

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2019年09月09日