就業規則にこめられた経営者の意図、思い

就業規則には経営者の思いがこめられているはずです。

・当社をどんな会社にしたいか
・社員にはどんな人材になってもらいたいか
・社員にはどのように働き、どのように会社に貢献してもらいたいか、それに対してどのように報いたいか

たとえば、就業規則に、次のような条文があるとします。

第○条(セクシュアル・ハラスメント防止)
1.社員は、職場の健全な秩序を保つとともに、お互いに協力し合って業務を遂行する義務を負う。そのために社員は、職場内において相手方の望まない性的言動等により、他の社員に不利益を与えたり、就業環境を害すると判断される、セクシュアル・ハラスメント行為をしてはならない。
2.セクシュアル・ハラスメントに対して会社は事実関係確認後、就業環境改善のための措置を必要に応じて講じる。
3.詳細は別に定める「セクシュアル・ハラスメント防止規程」による。

セクハラ防止条項です。

法(男女雇用機会均等法)の規定もあり、いまでは大半の会社が、セクハラ防止に関する条文を設けています。

条文ははじめに、「職場の健全な秩序を保つとともに、お互いに協力し合って業務を遂行する義務を負う」とあります。

セクハラ行為が職場であれば、秩序もなくなりますし、そのようなことをする人に対して協力する気もなくなります。職場内がぎくしゃくし、結果として、部署の成果もあがりません。
セクハラ防止には、このような意味があるのです。ここをただ表面的に「セクハラは禁止されている」とだけ捉えていると、セクハラはなくなりません。

「この程度はセクハラにならない」「こんなことで騒ぐ方がおかしい」というムダで無意味な議論になったり、あるいは、気に入らない上司・同僚を傷つけるためにセクハラをでっち上げるようなことが起こったりするのです。

職場の秩序と協力関係という基本精神が欠落した行為です。

この条文例は、このようなセクハラの本質を理解している人が作ったものでしょう。
もしかしたら、過去にセクハラトラブルがあったのかもしれません。
(余談ですが、全体に簡略に作っているのに、ある特定の条項だけとても詳しく書かれているような就業規則を見ることがあります。この条項に関わることで何かあったんだろうなと思って確認させていただくと、その通りだったりします。就業規則の条文ひとつにも、会社の歴史や経緯が反映されるのですね。)

 

◆◆働く人のための就業規則講座目次はこちらです◆◆

2019年08月09日