人材の多様化と生産性の関係は?③~正社員の多様化、会社と働く人の距離感

働き方の多様化は生産性を向上させると経済財政白書は分析しています。
これを受けて、このコラムでは雇用の多様化と人事管理にまつわるお話をしています。

雇用の多様化は、①関係性の多様化と②働き方の多様化に分類でき、「関係性の多様化」は「雇用形態」と「会社と従業員の距離感」の2つになります。

今回は「雇用形態の多様化」の1つである「多様な正社員」について見ていき、引き続き「会社と従業員の距離感」のお話をしたいと思います。

◆多様な正社員

「多様な正社員」(あるいは「限定正社員」)には次の3つがあります。

①勤務地限定正社員
②時間限定正社員
③職務地限定正社員

このうち①、②は以前から存在していました。

しかし②の「時間限定正社員」は、これまでは育児など特定の事由に該当した人だけが、該当の期間に限定して適用されるというのが一般的でした。
「両立支援」「ワーク・ライフ・バランス」の一環という位置づけで、これはいまでも変わりませんし、依然として時間限定正社員の主流ではあります。

しかし近年は、本業以外の仕事に就く副業・兼業や、仕事とは別の活動の時間を確保するなど、働く人個人の価値観、ライフスタイルに対応した形態として短時間正社員制度を適用するという事例が出てきています。

一方、③の職務限定正社員は新しい形態といっていいでしょう。
これはその名の通り、あらかじめ決められた仕事に専念し、他の仕事はやらないというものです。
契約社員などにみられるやり方でしたが、正社員にもこのやり方を適用しようということです。

◆会社と従業員の距離感

会社と従業員の「距離感」も相当変わってきました。
以前は、担当業務、働く場所・時間などは全て会社に委ねるかたちが一般的でした。
会社は従業員の扱いをフリーハンドで決めることができたわけです。
その代わり、よほどのことがなければ定年までの雇用を保障したわけですね。

これには様々な要因があったと思います。

会社は以前のような雇用保障ができなくなってきた、あるいは雇用保障の程度が弱い従業員を増やしてきましたし、働く人は会社からの束縛が少なくなることを求めるようになっています。

要するに、相互の依存の程度を減らし、お互いが自立した割り切った関係になろうという方向ですね。

これは良い・悪いの問題ではありません。
また、そうなったからといって、会社と従業員の関係が冷たくなったとは限りません。

 

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2019年08月05日