働く人のための就業規則講座~就業規則をトラブル解決に活用する

◆上司と部下、それぞれの立場で

同じトラブルでも、人によって受け止め方は異なります。
置かれた状況、立場が人によって異なるからです。
したがって、解決策も人によって異なってきます。
Aさんにとってベストな解決策でも、Bさんにとってはそうではないかもしれません。

職場のトラブルを取り上げた本は珍しくありません。
しかし、その多くは、部下の立場か上司の立場のどちらか一方のスタンスに偏っています。
このコラムでは、部下、管理職の両方の立場から、職場トラブルを見ていきます。

それによって、「相手はどう考え、どう行動するか」を知る手がかりを得ることができるでしょう。

職場トラブルが、収拾不可能なところまでこじれる最大の原因は、それぞれが自分のことだけを主張して、相手のことを考えないところにあります。
相手のことを考えて行動していれば、未然に防ぐことができたトラブルも少なくありません。

それは決して、「相手の顔色を見て、自分の言いたいことはすべて抑えなさい」ということではありません。
私が言いたいのは、組織にいる人はみな、それぞれの持ち場で、それぞれの立場で、ミッションを果たそうとしているということなのです。
それぞれが、その人なりの「正義」をもって日々の業務を進めているわけです。

相手かまわず自分の主義主張を押し通すやり方は、望ましくありません。

・自分がかかわる人が、いま、どんな状況で、どんな立場で仕事をしているか、そして、そういう人はどう物事を考え、対応するものかを知ること。
・それを踏まえて、自分が言うべきことを相手に理解してもらい、自分がやるべきこと・やりたいことを実現する。

組織で仕事をしていくうえで、この2つは必須です。

組織で仕事をするというのは、ある意味窮屈です。
日々、勝手気ままに好きなことをやればいいというものではありません。
しかし、その代わりに、一人ではできないことが実現できるのが組織なのです。
もちろん、中には、悪意をもってあなたに対応する人や、自分の身勝手な理屈で行動する人もいるでしょう。
そのような場合は、自分の身を守ることを最優先した方がいいでしょう。

◆法律論争に行く前に

労働関連の書籍をひもとくと、法令や判例を引用して有効・無効を論じているものが多いです。
法令や判例はもちろん重要です。
しかし、現実の職場で必要なことは、法律論争ではありません。
大事なことはむしろ、「非」法律の世界で上手に問題を解決することです。
その際のより所として就業規則を読みこなし、活用するわけです。


次回から、就業規則とはどういうものなのかを解説していきます。
トラブルを防ぎ、トラブルに対応する上で、さらに、仕事で成果を上げていく上で、就業規則がどんな役割を果たしているのかをご理解いただければと思います。

 

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2019年07月22日