働き方改革への取組(7)~労働時間短縮⑥

働き方改革関連法制を読み解きながらこれからの人事制度のあり方を考えるシリーズ企画、いまは労働時間・残業時間に関するお話を続けています。

今回も時間外の上限規制についてみていきます。

法改正で、従業員を働かせることのできる時間がこれまで以上に厳しく制限されることになりました。

ここで注意しなくてはならないのが、「80時間」とか「100時間」というのは、どういう時間を指しているのかという点です。

◆労働基準法が定める労働時間、休日とは?

まず基本的なことをおさらいします。

労働基準法では、労働時間を1日8時間以内、1週40時間以内と定めています。
これを「法定労働時間」といい、この時間を超えた分が時間外労働となります。

もし会社の所定労働時間が7時間となっているなど8時間未満の場合、7時間腸時間以内の分は法律上は時間外になりません。

したがって、時間外の上限規制の対象になるのはあくまでも法定労働時間を超えた分です。

次は休日です。
労働基準法では、休日は週1日以上となっています。(4週4日というパターンもありますが)。
これを「法定休日」といい、この日に仕事をさせたら休日労働ということになります。

週休2日制で、土日が休日、法定休日が日曜日の場合(ちなみに法定休日をいつにするかは会社で決められます)、土曜日に仕事をしても、労働基準法上は休日労働とはなりません。
ただしその結果、週の労働時間が40時間を超えた場合、その分は時間外労働となります。

◆時間外の上限規制の「時間」とは?休日労働は入る、入らない?

では本題に戻りましょう。

改正法ではいくつかの角度から労働時間の上限を定めていますが、この「時間」のとり方には次の2つのパターンがあるのです。

パターン①:時間外労働だけ
パターン②:時間外労働+休日労働

ここは要注意です。
時間外労働だけ見ていて限度時間に収まっていると安心していても、休日労働を加えたら超えてしまっていたということがおこってしまうかもしれませんので。

◆パターン別上限規制

このようになっています。

パターン①(時間外労働だけ)
・時間外労働の1ヶ月限度時間(45時間以内)
・時間外労働の1年限度時間(360時間以内)
・特別条項の1年上限時間(720時間以内)

パターン②(時間外労働+休日労働)
・特別条項の1ヶ月上限時間(100時間未満)
・特別条項の2ヶ月ないし6ヶ月平均上限時間(80時間以内)

特別条項の1ヶ月上限時間だけ「未満」となっている点にも要注意ですね。

◆パターン②は特別条項だけの話ではない

これまで述べてきたように、パターン①の上限時間はあくまでも時間外労働だけが対象で法定休日労働は含まれません。
これだけだと、時間外労働は限度時間の範囲におさめて、法定休日労働増やしても問題ないということになり、上限規制が尻抜けになるおそれがあります。
パターン②には、それを防ぐという意味があります。
この点も要注意ですね。

 

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2018年12月21日